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美術家、大岩雄典による現代アート作品として誕生した「可能な行為の空間」を感覚できるカードゲーム型のインスタレーション作品。

平たく言えばとにかくカードゲームです。

総じてゲームとは、ルールを設定することによりある種の仮想空間をその場に生み出し、その中に遊ぶことを意味します。大岩はカードゲームを「空間芸術」として提示するという独自の活動をしている作家です。

遊ぶ、つまりプレイによって空間が立ち現れることを体感するためのカードゲームですが、その行為自体が芸術として提示される(こともある)と言われるとなんだか不思議な感じがしてきますね。

 

美術としてのチャレンジもありますが、一般的に言ってカードゲームなので、誰でも遊ぶことができます。

ゲーム内容は配られた手札を読み、それを実行するという極めてシンプルなもの。あくまでルールの現前が目的なので、デザインはごくシンプルで余計な装飾がありません。毎プレイごとに必ず勝敗があるわけでもなく、ルールがダイナミックに変化するさまを楽しみながら進行していきます。

一風変わったゲームをお求めの方にぴったりです。ゲームをコレクションしただけなのに現代アートを買ってしまう不思議体験もできます。

プレイマニュアルはこちら

遊び方を動画でどうぞ。

 

なお、さらに複雑に遊んでみたい方のために「拡張パック」もご用意。基本パックに自由にカードを組み合わせたり、カスタムすることができます。

 

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準備

1.シャッフルしたカードを

2.場札の枚数をきめておもて向きでおき

3.手札として場札と同じ枚数ずつくばり

4.山札として残りを伏せて始める

 

手番

5.自分からおもてのみえる1枚をどれでもよみあげてそれをおこない

6.手札が減れば場札より 場札が減れば山札より すぐにおぎなう

7.場札と山札が尽きればすぐにゲームを終える


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《カードゲーム|Call Me Card Game》は、美術家・大岩雄典による「可能性」をテーマにした作品(2022)です。

観賞者=プレイヤーは、各戦局において、ゲームという可能性の空間をさまようことになります。大岩はこの作品を、「物理的な空間ではなくて、意図や判断の空間に立ち上がる特殊なインスタレーション」と位置づけます。

観賞者=プレイヤーは、各戦局(手番)に、自分から見えるカードに書かれている言葉を実行に移します。何ができるのか、という可能性を逐次問うような空間が、たしかに浮かび上がります。

プレイごとにその空間は多様な表情を見せます。広大さ、追い風、針の穴を通すような狭さ、もやがかった暗闇、隠匿、すれちがい、一手一手、その局面でなにができるかの感覚は空間的に移り変わっていきます。

一般的なインスタレーションもまた、壁や映像、照明や音響によって、死角や滞留、誘引や虚偽を組み合わせ、それに合わせて意味が構成されていきます。《カードゲーム》はそのような経験が抽象的に、そして非物理的な空間に現れる作品です。

 

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・基本パック(210枚)、ルール

・W1, G1, W2, G2[拡張パック]カード(39枚)
勝者の条件の拡張(W1, W2)と、通常カードの拡張(G1, G2)が含まれます。

・BL, BR, CH, MR, PL, SA, VA[拡張パック作品編]カード(48枚)
大岩雄典の2015–2021年の作品をモチーフにした拡張です。BL:《無闇》、BR:《別れ話》、CH:《悪寒》、MR:《margin reception》、PL:《Pleasure》、SA:《スローアクター》、VA:《バカンス》

写真:湯田冴
Photo: Sae Yuda