「通称 カードゲーム」という名前を最初に見たとき、ちょっと引っかかりを覚えました。正式名称ではなく「通称」。つまりこれは、本当は別の何かなのだと暗に示しているわけです。実際、この作品は美術家・大岩雄典が2022年に発表した現代アート作品で、《カードゲーム|Call Me Card Game》というタイトルを持っています。カードゲームを買ったつもりが、気づけば現代アート作品を所有していた。そんな不思議な体験ができる一品です。

とはいえ、身構える必要はありません。中身は本当にカードゲームで、誰でも遊べます。手札を配り、場札を並べ、自分の手番になったら表向きのカードを一枚読み上げて、その通りに行動する。手札や場札が減れば補充し、山札と場札が尽きたら終了する。ルールはこれだけです。勝ち負けが毎回決まるわけではなく、プレイが進むにつれてルール自体がダイナミックに変化していくところが、このゲームの面白さになっています。
「通称 カードゲーム」が問いかけるもの
大岩は「カードゲームを空間芸術として提示する」という独自の活動をしている作家です。ゲームというのは、ルールを設定することでその場に仮想的な空間を生み出し、その中で遊ぶことを意味します。プレイヤーが手を動かすたびに、目に見えないはずの「ルールの空間」が輪郭を帯びていく。この作品はその感覚を、実際にカードを配って読み上げるという行為を通じて味わわせてくれます。デザインはあえて装飾を削ぎ落としたシンプルなもので、ルールの現前そのものが主役になるよう作られています。
遊びながらコレクションする
一風変わったゲームを探している方には、ちょうどいい選択肢だと思います。友人を誘って卓を囲めば、普通のカードゲームとして十分楽しめますし、遊び終えたあとで「これはアート作品だったのか」と振り返る余韻も味わえます。さらに複雑な展開を求める方向けに拡張パックも用意されていて、基本パックのカードと自由に組み合わせたり、カスタムしたりすることもできます。プレイマニュアルや遊び方の動画も商品ページで公開されているので、初めての方でも準備に困ることはないはずです。
詳しい商品情報や購入は通称 カードゲームの商品ページからご覧いただけます。次に誰かとテーブルを囲むとき、手札の一枚を読み上げるその瞬間に、ちょっとした空間の手触りを感じてみてください。